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虹の橋を戻って。


by gab_golden
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持ち物検査

一昨日の夜遅くになって、虹のたもとにもどってリノンの屋台でカボチャコロッケをパクついていたわたしはガブ子です。
こないだやって来たばっかりのリノンは、生前、レストラン経営のプロがバックについていたおかげで、到着して間もなくかわいい屋台をこさえてカボチャコロッケ専門店を始め、大当たりしているのです。
揚げたてのアツアツコロッケを頬張って、主人の自慢をしていたら、なんと、のれんをわけて入ってきたのはジーナでした!
「あらー、ジーナ、いったいどうしてこんなとこにいるのよ?」
と言ったら、
「あのオンボロの身体はもうだめよー。とうとう脱ぎ捨てて来ちゃったわー。しばらく休んだら今度はとびきりの身体を着るわよー」
と、言いました。
「え! そうだったの? それならちょっと、持ち物を検査するからこっちに来て?」
と言って、わたしはジーナをテーブルに座らせ、持ってきたものを全部広げさせました。
「左の方は食べ物系、真ん中はおしゃれグッズ系、右の方はその他のものに分けてね?」 
ジーナがもってきた食べ物は、パンケーキ、猫缶、スープ、レバーのおかしなど。
それに、核酸だのオメガ3だの、難しい名前のサプリのボトルがたくさん。。。
「パンケーキはいいとして、この猫缶はなあに? なんなの? カツサンドとかローストビーフとかチーズ鱈はないの?」
「だって最後のほうはこれが美味しいと思っちゃったのよー。悪いわねーロクなもの持ってこれなくてー」
「まあいいわ。おしゃれ関係を見ましょう」
テーブルの上には、真っ白な真新しいパンダバッグ、ブルーのきらきらのピアス、中国の上等な石のパワーブレスレット、赤いコートなんかがおかれました。
「ちょっと! このパンダバッグ、白じゃない! わたしの時はピンクしかなかったんだよ? ちょっと一日貸して! それからこのピアス! わたしのおかあさんから預かってきたんでしょう? これも明日一日貸してね?」
わたしはジーナからパンダバッグとピアスをとりあげて、あとは返してやりました。
ちょっと一日借りるだけのつもりです。
そこへ、リノンがアツアツの揚げたてカボチャコロッケをもってやってきて、ジーナにふるまいました。
一口食べてほっと一息ついたジーナは、
「わたしも、明日から仕事を始めるわ。『スナック虹のたもと』をオープンさせて、やってくるおじさんたちを癒すわよー」
と言いました。
わたしは、自分がホステスとして疲れたおじさんたちを癒す助けをして働いているところを想像してみましたが、ないないないない。。。!と、思いましたので社員に立候補しませんでした。
でも、ジーナにアドバイスをしました。
「シヨミのおじいちゃまに、お着物を買ってもらって衣装にするといいわよ? おじいちゃまなら喜んで素敵な着物を買ってくれるわよ?」
明日から、ジーナの『スナック虹のたもと』がオープンします。
リノンの『カボチャコロッケレストラン』のおとなりです。
宣伝してやらなくちゃと思いました。
資金は、といちっこを使うように進めるつもりです。
by gab_golden | 2009-06-12 07:56 | ガブ子