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虹の橋を戻って。


by gab_golden
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ばびんか割烹料理屋デビュー

ゆうべは、オンナ同士でごはんでも食べよ?と、あたしらはおしゃれをして出かけました。
割烹のカウンターに並んでお料理をいただきはじめたとたん、ぴかスが言いました。
「なんか、しんぞーがイタイ。。。」
そういえば、お箸が全然すすんでいません。
「わっるい、これ食べないならもらっちゃっていい?」
お通しも、前菜も、焼き物も手をつけていないので、ぴかスの分もわたしが食べてやりました。
ぴかスは真っ青な顔でトイレに行ったり出たり行ったり出たりしています。
「わっるい、これも食べないの? つまんじゃっていい?」
さっきからわたしはダブルで食べています(わっるい)。
「先に返すにもタクシーじゃ不安だし、いいわ、わたしが実家のおがーさんを呼んであげる。迎えに来てもらっちゃいなさいよ?」
と言ってわたしはちっぷにおがーさんを呼びつけるように言いました。
その間にもいろいろとお料理が運ばれてきて、わたしはぴかスのためにダブルで食べ続けました。
すると、間もなく到着したとの連絡がありました。
「先に帰ってゆったりお風呂にでも入っちゃいなさいよ?」
わたしは入口まで送って行き、青い顔のぴかスの背中をギュっと強めに押し出しながら優しく声をかけてやりました。
ぴかスが車に乗ると、一緒に救出にやってきた子供たちが大喜びしました。
ミカミは、助手席に座ったぴかスの膝の上に腰掛けてにこにこと大笑いしています。
ばびんかはひとしきりぴかスに挨拶をしたあと
「ぴかスの代わりにお食事していきなさい」
と、おまーちゃまに薦められて、小躍りしてお店に入ってきました。
カウンターのぴかスの席に腰掛けると、ばびんかの前にはお造りの盛り合わせが置かれました。
「召し上がれ?」
しばし絶句したばびんかは、泣き顔になって首を振りながら言いました。
「たべれない。。。」
「あら、お造りが嫌いなの? 食べられないの? じゃあこれはガブちゃんに譲って次のお料理から召し上がれ?」
わたしはダブルでお造りを食べました。
次に出て来たのは『生ウニと賀茂茄子豆腐』。
またまた絶句して泣きながら言いました。
「あたちたべれない。。。」
またまたダブルで私が食べる。
次。
『穴子寿司&のれそれと穴子の卵のたきあわせ』
ばびんか絶句、泣き、「たべれない。。。」
まだ子供のばびんかに、こんなお料理はたべられません。
しかも、この子は魚アレルギー。
あまりにもなにもかも「たべれない。。。」というので、
「ばびちゃん、何が食べれるの? 何を食べたい?」
とおまーちゃまが聞いたらばびんかは答えました。
「ゆでたチキン。それからミミタンがいい」
しーーーーん。
ここは割烹なんですが。
しかし、小耳にはさんだご主人のヒグチさんが気をきかせて、ばびんかに素晴らしく美しい小鉢に盛った地鶏の蒸し物と、少し温めたミルクを特別に出してくださったのです。
みんなの注目を浴びてどうするかと思ったら、なんとばびんかは頭にかむっていたお茶碗を脱ぎ、目の前にセットしたかと思いきや、美しい小鉢から鶏を自分のお茶碗に移してぱくぱくっと素早く食べました。
そして、さらにミルクを移し、ぺろぺろっとものすごい早さで飲みました。

一方、ミカミは今朝シヨミに走り込んできたかと思うと、うわずった声で叫びました。
「ゆうべ、オレんたぴかスを救出しに原宿に行ったんだよ! 
 ずっと膝に抱っこして帰ってやったんだ!
 オレんたが助けたんだよ!」
by gab_golden | 2010-01-29 19:02 | ガブ子