虹の橋を戻って。


by gab_golden
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神材派遣業 ゴドウィン

家族のみなさんがホンコンに行って困ったことがあって以来、わたちは困ったひとびとに神様を派遣する事業をはじめまちた。
アーRにいちゃんが、
「よぉーーーーーーーし、ばびちゃーーーーん、このアイデアはねーーー。いいぞーーーーーーーー!」
と、言ってくれまちた。
ひさびさに手応えを感じたので、これでたくさんたまったといちっこの借金も、返せるのでは?と、思いまちた。
だいたい、10人くらいの神様を、10人くらいのこまった人々に派遣ちて、いままでたまったといちっこの借金をへんさいするめどがたったと、考えまちた。
会社のなまえは、株式会社ゴッドウィンでつ。
名前の由来は、派遣したいわたちと、派遣してもらいたいお客様の両方の希望がかなうという、ウィン・ウィンの関係の仕事だからでつ。
それで、わたちは電話局に電話ちまちて、フリーダイヤルのばんごうを手にいれたのでちた。
0120-282811
でつ。
ツヤツヤ・ワンワン!でつ。
まあ、だいたい一日に何本かの電話がかかってきて、神様を必要としているひとびとが神様をよこすように要請してきまつので、わたちは電話の前でウトウト居眠りをしていたら仕事が舞い込んでくる、という感じでつ。
ところが、日曜日の昼間、ヒマをもてあましたガブリンおねえさんがわたちの留守番電話を吹き込んであげるといって、録音をはじめたのでちた。
最初は、うまいぐわいに大人っぽく、「こちらは、神材派遣のツヤツヤワンワンでございます。ただいまの時間。。。。。」とかなんとか録音していまちたが、録音時間が余ってしまったため、だんだん、おかしなことを吹き込み始めていることにわたちが気づいたときには、ほぼ夕暮れになっていまちた。
なぜそんなになるまで気づけなかったかというと、わたちはお昼寝をしてしまったからでつ。
お姉さんを信用して、すっかり安心して、寝こけてしまったというわけでつ。
お姉さんは、あまった録音テープに向かってこれ以上録音する用件が見つからなくなると、だんだん今自分が食べたいと思っているものの名前を叫びはじめたのでちた。
それも、まるで録音すればそれが食べられると信じているかのように、本気で食べたいものを連発しはじめたのでちた。
しかもそれは、「マンダリンホテルの宙の穴子巻き!」とか、「モンサンミッシェルのムール貝のワイン蒸し!」とか、「アルケッチャーノのホロホロ鶏のラグーのパスタ!」とか、かなり希望的観測のものを連呼していまちた。
それを聞いていたアーRにいちゃんは、奥さんの願いを叶えるためにあちこちに飛行計画をたてなければならないので、おろおろしていまちたが、次々と連呼するガブリンおねえさんの希望を書き留めるのに必死で、わたちが困っていることにも気づきませんでちた。
はっきり言って、わたちのお商売はこの留守番電話のメッセージにめちゃめちゃにされたといっても過言ではありません。
神様をよこしてもらいたいと思う人は、困っているので今すぐにでもよこしてもらいたいと思ってわたちに電話してきまつ。
それなのに、留守番電話になったかと思うと、メッセージをどうぞ、のあとにメッセージを入れられる沈黙はいっさいなく、そのかわりにガブリンおねえさんの『食べたいものリスト』の録音が延々とつづくのでつ。
急いで神様をよこしてもらいたいと思っているのに、『どこどこのなになに!』という食べ物のリストを全部聞かなくては自分のメッセージを録音できません。
しかも、最後まで我慢して聞いた後に自分のメッセージを録音しようとすると、留守電のメモリがなくなって、ぶちっと切れてしまうのでちた。
それで、はっきり言って、わたちの神様を要請してくる電話は一本たりともかかってこなくなってちまいまちた。
お商売をめちゃくちゃにされたわたちは、怒りまちたので、おねえさんと口を聞いてやらないことにしまちた。
おねえさんは気軽にわたちに話しかけてきますが、わたちは返事をしないのでつ。
しかし、そのうちわたちは、なぜ怒っているのかわすれてしまいまちた。
なぜ怒っているのか忘れてしまったいじょう、謝られても許していいものかどうか、わからなくなってしまいまちた。
それが、いまのわたちの最大のジレンマでつ。
口はきけませんが、理由がわかりません。
とても困ってしまっていまつ。
神様に助けてもらいたいので、神様を派遣してもらいたいとおもいまつが、留守番電話が延々と続くのでなかなか録音できません。
それではまたこんど。
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by gab_golden | 2014-09-10 22:01 | バビンカ