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誕生日会のスピーチ

ガブ子です。
あやくんのお誕生日会でスピーチをするので、わたしは朝からおかあさんの事務所に行って何度も原稿を書いたり消したり書いたり消したりコピーをとったり破いたり放り投げたり鼻をかんだりくしゃくしゃにまるめたり書いたり消したりしました。
やっとのことでスピーチの原稿が完成したころには、空が真っ赤に染まる頃になっていました。
家に帰り、ぴかスのクローゼットに引きこもり、洋服を選ぶのにさらに数時間かかりました。途中でお腹がすいたので、ピザをとったりしていたからです。
やっとのことで着替えたころには、もう空に星がまたたいていました。
わたしがあやくんの誕生日会のために選んだドレスは、ゴールドのミニのワンピースで、袖口にひらひらがついているやつです。
おかげさまでぴかスとは体型が似ているので、とても身体にフィットしましたが、背中のチャックはしまりきらなかったのでちょっと毛がはみ出してしまいました。
まあいいわ。前を向いていればいいんだから。
ゲストに背中を向けなければ、誰もそんなことに気づく筈もありません。
お化粧をするのにさらに時間がかかってしまったので、校長がローストビーフを焼くのを手伝ってやることができなくなりました。
みんなが席について、食事が始まる前に、わたしはキッチンの入り口で深呼吸をして息を整え、ゆっくりと舞台(テーブル)にむかって歩き始めました。
舞台によっこらしょとあがると、晴れやかな笑顔でみんなを見回し、マイクを持ちました。
「今夜お集りのみなさん、あやくんのお誕生日会にご出席たまわり、誠にありがとうございます。今日はわたしが腕によりをかけてこさえたローストビーフを皆さんに味わっていただこうと、朝からかなりがんばりました。たぶん、今までで一番美味しいローストビーフだといえるでしょう!ボナペティ!!
それではみなさん、あやくんに乾杯!」
わたしは原稿をちゅうじつに読み上げ、みんなはキラキラした瞳で拍手をしてわたしにエールを送りました。
食事会が始まると、ちっぷが言いました。
「でもさ、実際、ローストビーフを焼いたのは校長じゃないの?」
みんなの目線が一斉にわたしに注がれました。
「ああ、時間がなくなっちゃったからね。」
「じゃあさっきのスピーチはうそなの?」
「ああ、原稿は昼間書いて書いて書き抜いた原稿だからね、変更不可能だったの。」
「…」
まあいいわ。
なんて思われようと、主役はあやくんなので、わたしは黒子に徹することにしました。
思いっきりローストビーフを食べて、食べて、食べぬきました。
とても素晴らしい夜になりました。
by gab_golden | 2008-05-21 07:18 | おしゃれ&メイク